『スモールビジネスの教科書』はこんな方におすすめ!!
- 会社をやめて、ストレスの少ない仕事で生きていきたい!
- セミリタイアやFIREを目指している!
- 個人でも成功できるビジネスを始めて独立したい!
『スモールビジネスの教科書』(以下、本書)の内容を一言で要約すると
「人生の選択肢を広げる、個人が成功するビジネスの始め方」
について書かれた本です。
著者の武田所長(たけだしょちょう)はコンサルファームの勤務経験を経て、
今までにそれぞれ売上数百万~10億円のビジネスを20以上展開。
事業規模の拡大よりも「安定・着実なビジネス」を目指してきたそうです。
本書ではそんな「安定・着実なビジネス」として、
個人でも取り組める「スモールビジネス」のメリットや成功ノウハウが詰め込まれています。
今回は本書のポイントと、私自身のテーマであるFIREにどう生かすかを解説します。
Contents
目次 「スモールビジネスの教科書」
序章
- スモールビジネスの概要
- スモールビジネスとは何か
第一章:スモールビジネスの戦略を立案する
- 戦略構築ステップ1 .自分の経験を振り返り探査領域を定める
- 戦略ステップ2 .探査領域において儲かっている企業を発見し儲かる手法を知る
- 戦略ステップ3 .対象顧客セグメントを明確にし、バーニングニーズを発見する
- 戦略構築ステップ4. 成功している企業の「儲かる手法」を改変しマイナーチェンジコピー品を創出する
第二章 スモールビジネスの戦略を実行する
- 検討の進め方
- 事業計画の作成と市場への参入戦略
- ラクスル事例から考えるスモールビジネス
- 代理店と直販の考え方
- スモールビジネスを実行する
- スモールビジネスその後
引用元:Amazon
【内容&ポイント解説】スモールビジネスの教科書
私自身、本書を読んで「FIRE、セミリタイアを目指すならぜひ読むべき本」だと感じました。
なぜならスモールビジネスの目指す先が、FIRE・セミリタイアと非常に相性が良いからです。
そこで今回は、本書の内容とポイントを「FIRE・セミリタイア」の視点から解説します。
解説内容は以下の3点となります。それぞれ解説していきます。
- 「スモールビジネス」の特徴とメリット
- 成功するスモールビジネスとは?
- 成功するスモールビジネスの作り方
①「スモールビジネス」の特徴とメリット
本書の中での「スモールビジネス」とはざっくり一言で言うと
「企業が参入しにくい規模で行う自分を武器にしたビジネス」のことです。
スモールビジネスではあえて大きな事業規模を狙うことはしません。
それよりもむしろ企業が参入するには難しい規模のビジネスを行います。
具体的には以下のようなビジネスです。
- 課題自体に多くの人が気づきにくいニッチなビジネス
- 企業が一事業として成り立たすだけの収益を見込めないビジネス
- すでに儲かっているビジネスの中の、細かい視点に注目したビジネス
こういったビジネスを行い、過度な競争を避けます。
そして自分自身のスキルや経験を生かして小さく戦うことを目指します。
今までの自分自身の仕事や趣味を通じて得たスキルや経験を組み合わせます。
興味があって自分自身が追求したいと思うことを組み合わせることも可能です。
激しい競争を避けることで成功のハードルを低く。
自分のスキルや経験を生かして、面白いと思った仕事を追求する。
言わばスモールビジネスは
「個人の経済的な成功と、精神的負担の軽減の両方を備えたビジネス」と言えます。
まとめとして、本書の中でのスモールビジネスの定義を紹介しましょう。
スモールビジネスの定義(本書より引用)
- 年間安定して3,000万以上、自由に使える金を2年以内に創出できる
- 事業価値の成長よりも安定着実を重視する。
- 売上は100億円以下とする。
- 自己資本での運営を基本とする。
スモールビジネスのメリットとは?
スモールビジネスのメリットは「様々な生き方へのパスポートとなること」です。
スモールビジネスの成功は、会社勤めではなく自分自身のペースの仕事ができる「自由な時間」。
そして会社員の給料+副業以上の「金銭的余裕」を生み出します。
そのあとは、より事業の拡大を目指すのも良し。そのままのペースで仕事を続けるのも良し。
もちろん自動化できる仕組み作りをして、自分の自由な時間をもっと広げての良いでしょう。
このブログのテーマでもある「FIRE」だってもちろん可能です。
普通の会社員勤めでは決してたどりつけない、自由な生き方への選択肢を作ってくれる。
それがスモールビジネスをする大きなメリットとなります。
本書の中でスモールビジネスが与えてくれるものとしてメリットが書かれています。
メリットとして紹介しましょう。
スモールビジネスが与えてくれるもの(本書より引用)
- 安定した高い収入
- 充実したプライベート
- 共通の価値観を持ち時間・精神に余裕のある友人
- 自分ならではの独自性
- 追求しがいのある目標
- 対人関係のストレスからの解放
②成功するスモールビジネスとは?
ではどんなスモールビジネスが成功しやすいのでしょうか。
本書の内容をざっくりまとめると「今あるサービスのマイナーチェンジ品を作れ」です。
社会の価値観を変えるような新しい革新的なサービスはベンチャー企業に任せましょう。
「既存の企業が儲けているサービスを、自分なりの工夫を加えて、マイナーチェンジする」
これがスモールビジネスの目指すところです。
この目標の最大のメリットは、成功する確率が限りなく高いからです。
今既存の企業がすでにある程度儲けていることは、確実に需要があります。
そこに狙いを定めて、自分なりの工夫を加えて、販売する。
これが成功しやすいスモールビジネスの鉄則と本書では書かれています。
しかし「それでは大きく稼げないのでは?」と思うかもしれません。
もちろん大企業が生み出すような何10億円のような金額は難しいでしょう。
しかしスモールビジネスの規模なら十分な収益が見込めます。
人も雇わず自分ひとりでなら、家族も合せて余裕のある生活ができるぐらいの金額は可能でしょう。
少し人聞きの悪い言い方をすれば、
「既存企業のマネをして、おこぼれをもらうこと」
これこそが成功しやすいスモールビジネスのやり方だと言えます。
本書の中では、他社のマイナーチェンジ品を作って成功した企業として具体的な会社名も紹介されています。
マイナーチェンジ品を作って販売することがまずビジネス成功の第一歩だと言えます。
③ 成功するスモールビジネスの作り方
成功しやすいスモールビジネスは
「既存企業の儲かっているサービスのマイナーチェンジ品を作ること」
だと解説しました。
ではそんなスモールビジネスはどのように見つければよいのでしょうか?
一言で言うと「自分の武器を把握し、儲かる事業を把握すること」です。
本書の中では、顧客セグメント分析や参考にすべき企業の分析方法など…
かなり細かい内容まで触れています。
ここではそのポイントを踏まえてステップ方式で解説しましょう。
成功するスモールビジネスを作るステップ
- 自分の手持ちの武器を整理する
- 探査領域を設定する
- 探査領域の中から儲かっている企業を調査する
- バーニングニーズを発見する
それぞれステップごとに解説しましょう。
① 自分の手持ちの武器を整理する
スモールビジネスにおいて最大の武器となるのは「自分自身」です。
そこでまずは自分が今持っている武器となりえるものを以下の3つの分類に分けます。
- 能力
- 専門知識
- ネットワーク
これら3つのものを合わせて、本書の中では「競争力」という言葉で表されています。
自分の競争力を把握するには、自分が今までどんな仕事や趣味をしてきたかがポイントとなります。
その中で、他人が持っていないものや自分が得意とするもの、できるものを把握します。
さきほどの3つの分類ごとに具体例を挙げれば以下のようなものになります。
- 能力:エクセルなどの事務能力、言語など
- 専門知識:業界に関する専門的な知識(例:金融業界経験における専門知識など)
- ネットワーク:多くの人や企業との協力体制
② 探査領域を設定する
先ほど挙げた手持ちの武器を生かせそうな事業領域を探していきます。
大きく広げるのではなく、手持ちの武器からある程度絞って探すことが良いとされています。
さらに手持ちの武器を組み合わせることで差別化を図ります。
例えば「能力:プレゼン能力」×「専門知識:金融知識」で金融コンサルタント。
「能力:営業スキル」×「ネットワーク:デザイナーとの人脈」でデザイン会社の営業代行。
こういった具合で自分の武器から絞り込みと組み合わせを図ります。
③ 探査領域の中から儲かっている企業を調査する
自分が取り組むべきビジネスが決まったら、ここからは同業企業の分析に入ります。
様々な情報チャネルから同業で儲かっている企業を探します。
儲かっているかどうかは「営業利益」に注目します。
目安として自分の目標営業利益の10倍以上儲けている会社を見つけましょう。
しかしある程度探してみて、もし儲かっている同業を見つけられない場合、
その事業自体が収益を上げるのを難しい場合があるので注意が必要です。
④ バーニングニーズを発見する
ここまで来たら最後は、その事業の中でのニーズを発見して、ニーズを満たす事業を作ります。
ここで注目したいのは燃え上がるように強いニーズ、「バーニングニーズ」です。
この強いニーズに注目するのが成功の秘訣だと本書は述べています。
もう少しかみ砕いて言うと「バーニングニーズ」とは
「持っている人は少人数であるが必ず存在するニーズ」のことです。
このニーズは「どうしても解決したい!」という強い欲求があります。
なのでサービスが多少粗削りであっても、売れやすいという特徴があります。
さらに少人数向けなので、大企業が参入しにくいというメリットもあります。
本書で具体的に挙げられているのは、Airbnbの例です。
Airbnbは、ルームシェアサービスを行う会社です。
ここでは「旅行」や「短期滞在」というサービスが挙げられます。
これ自体は、言わずともわかる「儲かっているサービス」ですよね。
その中からさらに「金額の範囲内で、〇〇に、いつからいつまで滞在したい」というバーニングニーズに注目。
「この希望の範囲内でどうしても行きたい」という強いニーズ=バーニングニーズがあるわけです。
このバーニングニーズを満たすのに、ルームシェアというサービスを提案しています。
ホテルのように設備が整っていなくても、ある意味仕方ないとしてサービスを利用する顧客が見込めます。
儲かっているサービスの中の、小さいスキマのニーズ。
その中でもどうしても満たしたい強いニーズ(バーニングニーズ)
ここを狙うことこそ成功しやすいスモールビジネスだと本書では述べられています。
その他、本書で役立つ具体的な内容
この記事では大きくポイントを絞って解説してきましたが、他にも本書には
- 鉄板のスモールビジネスの具体的業種
- スモールビジネスに向いていない人の例
- 儲かっている企業を見つける情報チャネルの具体例
- スモールビジネスから成功した会社の具体例
- スモールビジネスの立ち上げ方法等の解説を図解で解説
こういった内容が盛り込まれています。
「教科書」の題名通り、1からスモールビジネスについて学べる良書です。
気になった方はぜひ一度読んでみることをおすすめします。
FIREを目指す上で本書の内容をどう生かす??
ここから私自身の視点を織り交ぜていきます。
まず本書を読んだきっかけとしては、私自身FIREを目指す中で
「いずれスモールビジネスを立ち上げなければいけない」と感じていたことです。
私自身が目指すFIREは以下のような条件です。
- 金融資産3,000万+生活防衛資金240万の資金を貯めて
- ストレスの少ない仕事をしながら
- 月30万の収入を継続する。
仕事を完全にやめてしまうファットFIREよりも、仕事をしながらのサイドFIREに近いイメージです。
この条件を満たせるものとして、スモールビジネスの立ち上げを考えています。
月30万は副業でも十分な達成可能な金額かもしれませんが、継続して稼ぐとなると少し不安が残ります。
キャッシュポイントを増やすための手段としてスモールビジネスを学んでみるのも良いと思ったがきっかけです。
もう一つは自分の興味のあることを追求して、ストレスの少ない仕事がしたいという点です。
生活に困らない金額を、ストレスの少ない仕事で稼げれば良いという視点ですね。
事業規模として大きくなくても良いので、いずれそんなスモールビジネスを作っていきたいです。
実際に本書で目指すところは、自分の目指すFIREとしっかり合致したので、とても共感する部分がありました。
スモールビジネスが与えてくれるもの(本書より引用)
- 安定した高い収入
- 充実したプライベート
- 共通の価値観を持ち時間・精神に余裕のある友人
- 自分ならではの独自性
- 追求しがいのある目標
- 対人関係のストレスからの解放
スモールビジネスを作る視点は、個人の副業規模でも十分生かせる!
本書のスモールビジネスは「副業以上ベンチャー未満の売上100億円以下」を想定して書かれています。
しかし私自身、本書で述べられている考え方は「月1万~20万円程度の個人の小さな副業」にも十分応用可能だと思いました。
本書の中でスモールビジネスの成功のコツを一言で言うと
「自分の武器を生かして、儲かっている企業のマイナーチェンジ品を作れ」でした。
これは競争相手がフリーランスや同じく副業している個人にそのまま置き換えても使えます。
例えばせどりなどにおいては
- 自分の武器:画像装飾、特定の仕入れ先との人脈
- 儲かっている:すでに売れているアイテム
- 企業:個人(他の販売者)
こんな感じに置き換えることができます。
つまり他の販売者よりも、同じ売れている商品を、特定の仕入れ先から安く仕入れたり。
販売ページを工夫して、もっと魅力的に見えるように販売したり。
こういった自分の武器を生かして、他の個人と差を付けることも可能なわけです。
もう一例、ブログやyoutube動画においても
- 自分の武器:特定の業界の専門知識があり、人脈もある。
- 儲かっている:閲覧回数や再生回数が多いテーマ
- 企業:他の配信者
こういった場合は、例えばより踏み込んだテーマや裏付けに基づく内容を発信したり。
場合によっては動画にゲストとして出演してもらったりなどの差別化が可能になります。
このように本書の考え方を生かして、スモールビジネスに満たないレベルのビジネスでも十分に使えます。
まずはこのように成功確率が限りなく高い方法で、副業から始めてみるのも良いと思います。
そこで得た経験や稼いだお金は必ずFIREを目指す上でのプラスとなるでしょう。
【まとめ】
今回は「スモールビジネスの教科書」の内容ポイントとFIREに生かす視点を解説しました。
私自身も今後副業の中に本書の視点を取り入れていきたいと思います。
まずは副業から小さく始めて、スモールビジネスへ転換。
FIREを目指していきながら、本書の目指すところである「経済的な成功」と「精神的負担の軽減」を目指していきたいと思います。
気になった方はぜひ一度本書を手にとってもらえればと思います。