『最速で最大の結果を出す!投資家が選ぶ成長株50銘柄』はこんな方におすすめ!!
- とにかく早くお金持ちになりたい!
- インデックス投資だけでは物足りない…
- 値上がりが期待できる具体的な銘柄が知りたい!
『最速で最大の結果を出す!投資家が選ぶ成長株50銘柄』(以下、本書)の内容を一言で要約すると、
「FIREまでの期間を加速化する成長株投資の可能性」
について書かれた本です。
著者の菅下清廣さん(以下、著者)は、投資家で今現在はスガシタパートナーズ株式会社代表取締役社長。
元々はアメリカの三大投資銀行の一つであるメリルリンチに勤務してウォール街を経験した経歴もあります。
現在はスガシタパートーナーズで投資コンサルタントとして活動されている。
本書の言葉を借りるとまさに「富のスペシャリスト」です。
本書はそんな著者が「早くお金持ちになれる方法」として成長株投資についての考え方と具体的な銘柄について余すところなく解説した1冊になります。
今回はそんな本書の内容を、お金持ちになってFIREを目指すサラリーマンである私の視点から…
内容の要約と、FIREのためにどう生かしていくかをまとめていきます。
Contents
【内容&ポイント解説】最速で最大の結果を出す!投資家が選ぶ成長株50銘柄
本書の内容は以下の3つのポイントに分けることができます。
- 資産形成をする上での成長株の優位性
- 株価高騰が期待できる成長株の選び方
- 具体的な個別銘柄50選
①「なんで成長株がいいの?」ー資産形成をする上での成長株の優位性
本書では、一貫して「お金持ちになりたいなら成長株投資をするべき」と主張されています。
株式は主に、成長株(グロース株)と割安株(バリュー株)の二つに分けることができます。
この2つの株式の特徴を簡単にざっくり説明すると、こんな感じ。
名称 | どんな企業?? | 株価の特徴 |
成長株(グロース株) | 知名度・事業規模が小さく、発展途上。 | 値動きが激しい。配当金が少ない。 |
割安株(バリュー株) | 知名度・事業規模が大きい。成長は緩やか | 値動きが少ない。配当金が多い。 |
そしてその中でも成長株を選ぶ理由として、値上がりのスピードがとにかく早いこと。
合わせて株価は2倍からデンバガーと呼ばれる10倍以上にまで跳ね上がることもあるからです。
例えばアメリカの成長株の筆頭ともいえるテスラの株価を見てみましょう。
出典:ブルームバーグ
2019年には1株60ドル台だった株価は、2020年には3倍の180ドル。
2021年1月には14倍の880ドル。2021年11月には最高値の1221ドルを達成しています。
この間でおよそ20倍。
10万円投資していたら200万円。100万円投資していたら2,000万円になっていた計算です。
そしてさらに驚くのは、この間がたった2年間という期間の短さです。
この数年で事業規模も大きく拡大し、もはや成長株と言えないぐらいの時価総額へと成長しました。
もちろんコロナショック後の好調な株の値動きの影響と思います。
しかしテスラに限らず、また企業の国籍がアメリカであっても日本でも。
たった数年間で株価が何倍にもなる成長株は毎年いくつかも発生しています。
本書ではそんな成長株に狙いを絞って投資して
「3年でお金持ちになりなさい」と書かれています。
でもFIREなら「インデックス投資」や「高配当投資」がいいんじゃないの?
FIREを目指す投資としては、アメリカのS&P500指数に連動する「インデックス投資」とか、
毎年企業からもらえる配当金を活用して不労所得を得る「高配当投資」がいいって聞いた方もみえると思います。
もちろんこれらに投資して、着実に資産を形成する方法もあります。
しかしインデックスや高配当株投資は、十分な資産ができるまでに時間がかかりすぎるのがデメリットです。
例えばインデックス投資の平均的なリターン年5%で計算した場合。
この場合は次年度以降、投資で得たリターンも加えて運用していく複利で増えていくことになります。
100万円が10年後にいくらになるかを表にしてみましょう。
なお税金等は考慮していません。また小数点以下は四捨五入です。
1年後 | 1,050,000円 |
2年後 | 1,102,500円 |
3年後 | 1,157,625円 |
4年後 | 1,215,506円 |
5年後 | 1,276,282円 |
6年後 | 1,340,096円 |
7年後 | 1,407,100円 |
8年後 | 1,477,455円 |
9年後 | 1,551,328円 |
10年後 | 1,628,895円 |
このように10年経った場合、増加額はおよそ63万円。
またもし倍にしようと思った場合は、投資でよく使われる72の法則が使えます。
72の法則=72÷金利(%)=資産が倍になるまでの期間
つまり5%のインデックス投資で倍にするには、72÷5=約14年の期間がかかることになります。
確かにインデックス投資は着実な投資方法ではあります。
しかし成長株投資のように「短期での爆発的な値上がり」は期待できません。
もしFIREまでにかかる期間を短くしたい場合や、圧倒的にFIREまでの資金が足りない場合。
そんな時は「何倍もの値上がりが期待できる成長株投資」も視野に入れる必要があると言えるでしょう。
実際にいわゆる億り人(おくりびと)の中にはこういった成長株投資で資産を築いた人も多くいますね。
②「じゃあどうやって銘柄を選べばいいの?」ー株価高騰が期待できる成長株の選び方
成長株が資産形成において「短期の爆発力」という優位性があることを説明しました。
では実際にどんな成長株(銘柄)を選べばよいのでしょうか。
日本だけに絞っても、会社の株なんて数えきれないほどあります。
2022年4月に再編を行った東証のグロース市場においても、銘柄数は466社。
プライム、スタンダードを加えたらおよそ3,700社以上の会社の株が存在します。
1社1社見ていたったらキリがありませんよね。
そこで本書が伝える成長株の選び方は以下の通りです。
- テーマを絞ること
- チャート(波動)を見ること
テーマとは、ざっくり言うと「会社の事業内容のくくり」のこと。
世の中のトレンドや成長余地がある事業内容をしている会社かどうかという点です。
チャートとは、その会社の実際の株価の動きのことです。
株価というのは業績だけでなく、世の中のトレンドやこれから伸びるだろうという期待による投資も含めて形成されます。
これから値上がりが期待できる株価の動きをしているかどうかを見る必要があります。
ではこのテーマとチャートが具体的にどのようなものを選ぶべきかを解説していきます。
① テーマはDX(デジタルトランスフォーメーション)に絞る
本書で投資先として選ぶべきなのは「DX」であると述べられています。
なぜならこれから日本は国を挙げて「DXの推進を行っていく」と明言しているからです。
投資には「国策に売りなし」という格言があります。
国策として取り組む事業は、国から多くの補助金・支援金が流れること。
またメディアとしても取り上げられやすく、投資家の期待も集めやすいこと。
その分、業績アップや期待の投資で株価も上がりやすいから売らずに買うべしという意味の格言です。
2021年にはデジタル庁が創設され、今遅れていると言われている日本でも急ピッチにDXの推進が行われています。
デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後5年で一気呵成に作り上げることを目指します。
徹底的な国民目線でのサービス創出やデータ資源の利活用、社会全体のDXの推進を通じ、全ての国民にデジタル化の恩恵が行き渡る社会を実現すべく、取組を進めてまいります。
官公庁や大企業などでもDXの推進が課題となっています。
これらの大きな組織から受注を受けた中小企業の株が成長株として期待できると考えられますね。
DXって結局何なの?ざっくり解説
DX(デジタルトランスフォーメーション)って言葉自体は聞いたことがある人も多いと思います。
ざっくり言うと「デジタル技術を使って人々の生活をより便利にしていく変革」のことです。
デジタル技術を使って、今までにない商品やサービスを生み出すこと。
今まであるものに、デジタル技術を活用して効率化やコスト削減を図る。
この2つがDXの目的となっています。
例えば身近でイメージしやすいのは電子マネーなどの電子決済サービス。
飲食店などで普及が進んでいる事前注文サービス。
またビジネスシーンでいえばAIを駆使した自動計算やビッグデータの活用などが挙げられます。
② チャート(波動)を見ること
本書では、株式投資でよく使われる会社のPER(株価純資産倍率)やPBR(株価収益率)については注目しないと述べています。
つまり投資する会社に対してのファンダメンタル分析は重視しないということです。
なぜなら成長株投資は、事業拡大に向けた先行投資を行っているため、赤字企業が多いからです。
安定性よりも今後の成長性に全振りしているということですね。
PERはファンダメンタルで見れば、超割高。財務諸表を見ても赤字。
こんな会社がごろごろしているので、一般的なファンダメンタル分析はアテにならないというわけです。
本書で見るべきは、チャートの状態だと述べられています。
チャートがこれから上がりそうな気配があるか。これを見ることが大切だと言います。
今上がりきった株を狙うのではなく、これから上がる気配がある株を狙うべきということです。
「上がる前のテスラを買いなさい」と本書の中でも書かれています。
本書ではそんなチャートを「波動」と少し中二くさい言い方で表されています。
チャートを見て、1年を超える長期、時には2~3週間程度の短期で売買をする。
「買ってほったらかし」とは真逆に、しっかり相場を見て投資に取り組む必要があります。
ではどんなチャートがこれから上昇していくのかの事例をいくつか紹介しましょう。
(1)チャートが右肩上がり
一番の理想的なチャートと言えます。
株価が上昇下降を繰り返しながらも、徐々に高値を更新していくタイプです。
わかりやすく一番おすすめのチャートと本書でも述べられています。
(2) 再浮上・高値更新のチャート
2番目の理想のチャートとしてはこの形。
過去に高値をつけていたものが下落し、ある程度の調整を経て再上昇。
そして前回の高値を上回ったチャートの形となります。
この後は新高値を形成することとなり、非常に強いチャートの形となります。
(3) ニューIPO銘柄
このチャートも理想的な形。
特に新規上場したIPO銘柄でよくみられるチャートです。
IPOしたての会社の株価は期待や投資を集めやすく大きく上昇します。
その後、一気に下降し「日柄」と呼ばれる調整期間に入ります。
この「日柄」から脱出して、再度上昇してきたところで買いを入れます。
③「おすすめの銘柄は?」ー具体的な個別銘柄50選
「DX」にテーマを絞ること「チャート」に注目して銘柄を選ぶことが大切だと解説しました。
しかし実際、私たちからすればどの銘柄を選べばよいかわかりませんよね。
そこで本書では、具体的な銘柄を50に絞って紹介されています。
もちろんテーマは、DXなど今後の成長事業に絞って解説されています。
また銘柄の名前だけではなく「事業内容」「チャート」「今後の見通し」なども簡潔にまとめられています。
この銘柄を参考にして、さらに自分で調べたうえで検討しても良し。
選出基準を参考にして、同じような会社を探してみても良し。
今後の投資先を見つける上で指標にすることができます。
その他の本書の内容
- 各投資先の特徴を踏まえた今後のポートフォリオの作り方
- 利回り+値上がりが期待できるREITの解説
- 成長株投資の売買のルール
- 投資の利益を伸ばす買い方と損切りの方法
- 資産形成のためにやるべきこと
今解説した以外にも、本書には上記のような内容が書かれています。
また全体的も非常にわかりやすく、初心者でも読めるように書かれている印象を受けました。
この記事では解説できなかったもっと詳しい内容や
具体的な銘柄名を知りたい方はぜひ読んでみることをおすすめします。
本書の内容をFIREにどう生かすの??
本書を読んで私自身も勉強になりましたし、具体的な銘柄名を知れたのでこれから成長株投資も検討してみようかと思いました。
読んで私が思った「FIREに生かす考え方」は以下の3つになります。
- 自分のFIREの到達点を明確にして、投資先を検討すること。
- 成長株投資を始めるのは今…?見極めが必要。
- 成長株投資をどう始める?経験が必要。
① 自分のFIREの到達点を明確にして、投資先を検討すること。
本書を読んで、一番思ったのは改めて自分のFIREの到達点を明確にすることです。
具体的には「いつまでに、いくら貯めて、どのような形でFIREしたいか」を明確にすること。
そして人によっては「成長株投資をしない」という選択もアリじゃないかなと思いました。
FIREを実現するには、投資は必要不可欠です。
そんな投資の中でも様々な種類があります。
成長株投資は、はっきり言って株式投資の中でも「ハイリスクハイリターン」の極みです。
大きく値上がることもあれば、大きく下がることもあります。
うまくいけば一気に資産を築けますし、失敗すれば損をしてしまうこともあります。
もし仮にあなたが、FIREの準備の期間にまだ余裕があったり。
フルFIREではなく、簡単な仕事を続けながらのサイドFIREを目指している。
これらの場合は積み立て投資などのリスクが少ない投資でも十分資産形成できる場合があります。
逆に億を超えるような多くの資産を築きたい。
完全に仕事を辞めたフルFIREをしたい。今すぐにでもお金を貯めたい。
そんな場合は、成長株投資を視野に入れておくべきです。
投資には様々な商品があります。
自分のFIRE実現のシナリオに合わせた投資方法を勉強し、実践した方が良いと思います。
ちなみに私の場合は
3年後までに、資産3000万+240万で、サイドFIREをするのが目標。
その場合、インデックス投資だけでは時間が足りないので、今回この成長株投資を学んでみようと思ったわけです。
② 成長株投資を始めるのは今…?見極めが必要。
では2022年4月現在、成長株を始めるべき時期なのでしょうか。
私個人としては少し見極めが必要だと思っています。
今はFRBの金融引き締めにより、金利の引き上げが急ピッチで進んでいる状況です。
金利の引き上げは、グロース株にとっては逆風となります。
そのためアメリカのナスダック市場は、下降傾向にあります。
アメリカのナスダックが下がると、日本のグロース株も相関性があるので連動する形で下がります。
一言で言うと「見通しが暗く、これから下がり続ける可能性が高い時期」です。
もうしばらく状況の見極めが必要だと感じています。
しかし逆にこの下げがひと段落した時、安くなったグロース株で有望な銘柄を買うチャンスだと感じています。
その時のために、今のうちから有望な企業を探しておくべき時期ともいえるでしょう。
③ 成長株投資をどう始める?慣れる経験が必要。
成長株は株価の値動きが大きいのが特徴です。
実際に1日で5%以上も上下に動く日もざらにあります。
この点はインデックス投資から始めた人にとっては、最初非常に戸惑うところです。
成長株を始める場合は、まずは投入資金を少なくして、この成長株の値動きに慣れる経験も必要でしょう。
最初から大きい資金を投入すると、チャートが気になって仕方ない状態になってしまいます。
まずは最小単位の100株から。
また1株単位で売買ができる証券口座でお試しで試してみるのも良いと思います。
私自身もインデックス投資をメインにして、残りの資金で成長株投資を始めています。
まずは月の収入のうち、積み立てや配当株、コモディティなどに投資した分の残りで買うイメージです。
あくまでメインをインデックス投資にして、無理ない範囲で成長株投資を行う。
いわゆるコア・サテライト戦略の一つとして考えています。
今回のまとめ!「成長株投資はFIREまでの期間を加速化する」
今回は『最速で最大の結果を出す!投資家が選ぶ成長株50銘柄』の要約&解説でした。
ただ単に儲かりそうだという理由で投資を行うのではなく、
「自分のFIRE計画に合わせて投資先を選ぶこと」
を念頭に置いて、必要であれば成長株を視野に入れることも検討しましょう。
そのための成長株投資の方法やチャートの見方、具体的な銘柄例を知るのに役立つ1冊となっています。