『諦める力』はこんな方におすすめ
- 今ビジネスや副業で成果が出ていない。
- 自分が本当にやりたいことがわからなくなっている。
- 理想が高い、完璧主義を目指してしまう。
Contents
【一言で内容を要約】諦める力はこんな本
為末大さんの著書『諦める力』は一言で言うと「自分基準で目標を定め、達成する考え方」を学べる本です。
為末さんと言えば、世界陸上選手権400mハードルで銅メダルを取得。
現役引退後は多くの発信活動しています。
「走る思想家」なんてキャッチフレーズも本書の帯に書かれていました。
本書では、世間的にネガティブなイメージがある「諦める」という行為を
- 世間の目を気にせず、自分らしく生きるための行為。
- 自分の本当の目標や勝利条件に向かって、正しく進むための行為。
- 自分がもっと成功しやすい道に進むための取捨選択(トレードオフ)
このように非常にポジティブに捉えています。
つまり「諦める力」とは、自分にとって正しい基準を作り、達成するために、取捨選択を行うための力のことです。
「諦める力」を身に付けることで、最短で自分の目的、勝利条件を達成することができるようになります。
【一言で感想】諦める力を読んで思うこと
私自身が本書を読んで思ったのは「最終的な勝ちは、やはり自分の目的を達成することだ」です。
そしてその方向に向かう決意をあらたにすることができました。
私が目指す経済的自由は、一見すると社会の常識とは外れたものです。
しかしそんな常識外れの目標にも、周りの目を気にせずに向かっていける決意ができました。
何を言われても、最終的に周りは責任はとらないし、何が良いかは自分自身で判断すべきだからです。
「健全な迷い」を与える本
しかし本書を読むと逆に私は迷いも出てきてしまいました。
読むと明日から「よし!頑張ろう」とはさせてくれないところが本書が他の自己啓発系の本との違いです。
私の場合、自分の目的は「経済的自由」で間違いありません。
ただその目的を目指す手段は、一つではなく、無数に存在します。
今自分が取り組んでいる副業方法や節約方法などは、果たして正しい手段なのかという迷いです。
特に今、がむしゃらに何か取り組んでいる方。
そんな方が本書を読むと同じように迷ってしまうかもしれません。
しかしその迷いは健全な迷いです。
なぜなら、その迷いから判断することが、自分本来の目的へ近づいていく一歩になるからです。
「本当に今自分がやっていることが、目的達成に近づいているのか?」
迷って、そこから判断することで、より最適な行動や手段を模索することができます。
- 自分のやっていることを妄信せずに、時に疑ってみる。
- 難しい、無駄だと思ったら思い切って辞めてみる。
- そして、より良い行動や手段に切り替えていく。
従来の「やればできる!」型の自己啓発本と本書が大きく違うポイントです。
「諦める力」の重要なポイント3つを要約
本書は「自分の目的を、最短で達成するための考え方」を学ぶことができます。
そのための多くの考え方が登場します。
その中で私なりに重要だと思ったのは以下の3つです。
- 「諦める力」とは何か?
- 何を諦めるか、判断の元になるのは自分の軸。
- 諦めるべきかの判断は、実際に行動しないとわからないこと。
①「諦める力」とは何か?
まずは「諦める力」とは何かをしっかり理解しておきましょう。
文中のこの一言に凝縮されています。
手段は諦めていいけれど、目的は諦めてはいけない。
※本書「諦める力」より引用
為末さん自身、元々100m走の選手でしたが、そこでは勝てないと悟り、400mハードル走へと転向しました。
今まで100m走を諦めること、逃げたと思われるのではないかという葛藤もあったそうです。
しかし自身の「勝ちたい」という目標のために100m走を諦め、より勝ちやすい400mハードル走へ移ったわけです。
そして見事に銅メダル取得やオリンピック出場を達成することができました。
自分本来の目標を達成するために、より最適な手段を選んだエピソードとなっています。
「諦める力」とは決して全部投げ出してしまうことではありません。
- 一つの手段に固執するのではなく、違う手段の方が効率が良いのではないか。
- 限りある時間を、他の手段へ移ることで、目的実現の可能性が高くなるのではないか。
そういった問いかけを繰り返し、最終的に目的を達成する力のことです。
②何を諦めるか、判断の元になるのは自分の軸
結局、「選ぶこと」を他人任せにしてしまうと、自分にツケが回ってくる。
※本書「諦める力」より引用
この「諦める力」を身に付ける上で、重要となるのは自分自身の軸です。
自分自身の軸とは「自分の価値観で、何を目的に生きていくか」ということです。
この部分がしっかりできていないと、正しい判断にたどり着けません。
一番注意したいのは、人は周りや世間体といった価値観の影響を受けやすいという点です。
これはアスリートの世界にはびこる「努力すれば夢は叶う」という価値観の中で気付いたと為末さんは主張します。
「努力すれば夢は叶う」といういわば耳障りの良い言葉で、アスリートはただひたすら一つの競技に専念することが良しとされています。
しかし一つの競技に専念した結果、結果が出ず、取り返しがつかないくらい時間を使ってしまったアスリートを、為末さんは多く見てきたそうです。
逆に為末さんのように「勝ちやすいから400mハードルを選んだ」
というのは世間からすれば、批判の対象にもなりかねません。
しかし最終的に結果を出し、生き残ったのは為末さんの方でした。
世間からの価値観で自分の行動を決めるのではなく、あくまで自分の価値観で行動を決めること。
自分の価値観で、何を諦めるべきか、何に力を注ぐべきかを決めることが大切になります。
③諦めるべきかの判断は、実際に行動しないとわからない。
努力ではどうにもならないがあるとわかるためには、一度徹底的に考え抜き、極限まで努力してみなければわからない。
※本書「諦める力」より引用
そして最後に覚えておくポイントとして紹介したいのはこの部分です。
為末さんの「諦める」とは、すべてのことを投げ出すということではありません。
まずは目的を設定します。自分の中での勝利条件を設定します。
そしてその後、様々な手段を試すことになります。
その手段を諦めるべきか続けるべきかの判断は、実際に行動してみないとわかりません。
まずは目的に向かうための、行動=努力をしていくことが重要。
その結果、別のことをする(諦める)かどうかの判断をします。
一番の悪は、最初から目的を設定せずに、漫然と日々を過ごしてしまうことだと感じました。
「諦める力」を活かす方法は?
- 自分の軸を見失わないこと。
- 自分の軸に沿って、興味を持ったらやってみること。
- 引き際や自分の能力の見極めをすること。
今の自分の立場からするとこの3つになると思います。
「経済的自由を目指す=自分の軸」に沿って、まずは様々なことに挑戦してみます。
どれも成果を出すために、インプット&アウトプットをします。
そして、自分の目指す姿と合致するかを考え、辞める続けるの取捨選択をします。